2008年03月10日
分離媒体としての応用
 医療の現場や製薬の研究、化学や食品会社など、様々な場所で行われる分析では「分離」という重要な作業があります。私たちの身の回りにある多くは混合物であり、その中から目的物だけを純粋なかたちで取り出す操作が「分離」です。たとえば血液検査ひとつをとりあげても、採取した血液を赤血球や白血球、血清や血小板に分離して検査しますが、分離の精度が低いときちんとした分析が不可能になります。
 特に、近年の科学技術の発達により、非常に小さいレベルで純度の高い物質を得るという分離分析があらゆる分野で求められ、「分離」という作業は重要な位置を占めるようになってきています。
 分離作業は、粗い分離から精密分離まで主に3段階に分けることができます。例えば、「土壌水」の成分を分析したい場合、土砂や塵などが混在すると装置の負担や成分があまりにも多いため、単に分析装置で分離・解析という訳にはいきません。このため、保有する装置が高性能でも試料が極度に汚れていたり、複数の成分が混じっていると成分解析は不可能に近いと思われます。そこで、前処理という操作が必要となります。まずは、ろ過や遠心分離などの粗いろ過による大きな土砂やゴミを取り除く操作を行います。次に、簡易な分離によって、粗いろ過では素通りしてしまった塵や夾雑成分(分析や解析に悪影響を及ぼす物質)との分離を行います。これらの前処理過程を経て、最後に、分離分析の最終段階である分子レベルでの構造判断や物質の数・量の確認などには、主に高速液体クロマトグラフィーが用いられます。 
 我々は、この高速液体クロマトグラフィーの心臓部であるカラムにモノリスを使用することにより、分離精度と省エネ性を向上させることができると考えています

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