2008年03月10日
高速液体クロマトグラフィー用カラムへの応用

高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、環境分析をはじめとする分析業務を主としている業務はもちろんのこと、化学品や医薬品開発など非常に広範囲の分野に利用されています。高速液体クロマトグラフィーの原理を簡単に説明すると、下図のようになります。分離剤を充填した「カラム」に混合物(溶液状のもの)を注入し、液体に溶けているもの(溶質)の移動速度の差によって混合物を分離します。次にカラムから出てきた溶質を検出器によって感知し、信号をデータプロセッサーに送ってチャート(クロマトグラム)として表示しますが、従来のカラムの充填剤には粒子が使われています。

一般的には、カラムの充填剤である粒子を小さくすれば(現在は粒子径約5mm5×10m-6))、分離性能が良くなり多くの混合物を分離できることができますが、カラムにかかる負荷圧は粒子径の二乗に反比例して増加するので、溶液を注入し押し出すための圧力が急激に大きくなり、通常の送液ポンプの能力に限界が生じます。したがって、高性能分離と高速分離の両立を図ることは常にジレンマを伴うのです。


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我々の開発したモノリス型ポリマーを、充填剤に使用すると、分離精度を上げつつ、ポンプにかかる負担を軽減することができます。

モノリス型ポリマーは、流路となる細孔と分離が行われる骨格のサイズを制御できるので、流路径を大きし骨格を小さくすることが可能となり従来の粒子充填カラムでは困難であったレベルの分離を実現します。

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